10月4日(日)、長門市中央公民館で、ノンフィクション作家・評論家の柳田邦男氏による講演会「大人の気づき、子どもの成長~絵本・家読(うちどく)は心を育てる特効薬~」が開催されました。 主催した長門市立図書館では、現在、子どもたちの読書の習慣を家庭にも広げ、家族で同じ時間を共有し感想を話し合うことで絆を深める「家読」を推奨していることから、このたび、「家読応援団長」として活動している柳田氏の講演が実現し、市内外から約380人が参加しました。 講演に先立って、江原教育長は「本には不思議な力があり、子どもを成長させるほか、生活習慣を改善するための良い切り口でもあります。今日は実践的な内容を聞くことで、実りある時間にしてください」とあいさつしました。 講演では、家読に取り組んだ家庭から柳田氏に届いた手紙の内容を中心に、絵本の悲しい出来事が子どもの秘めていた心を動かしたことや、テレビや携帯電話から離れ、絵本を手に子どもと接するだけで大きく表情が変わったことなどの事例が紹介されました。 失敗して当たり前の子どもにはその中の小さな成功を喜び合うこと、家族やペットとの別れの悲しみが子どもだけでなく親も成長させること、苦手な教科や辛い現実から子どもが逃げようとしているとき、親は周りと比べずに今の子どもを大切にすることなど、それぞれきっかけとなった絵本の内容とあわせて家読の効果が発表され、参加者はメモを取りながら講演に耳を傾けました。 最後に、柳田氏は「子どもたちは、絵本の中の物語に自分を重ねて気づきを持つことで、実体験と同様に心へ深く刻まれます。家読を、地域や家庭に広めていきましょう」と参加者へ呼びかけました。講演後にはサイン会が行われ、多くの人が並んでいました。